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合コンからの再開
山名君との食事は今の所、とても楽しい。
全く話せなかった合コンとは打って変わって2人きりなら上手く話せることを知った。
合コン後に連絡をくれた山名君から食事に誘われた。少し驚いたが、応じて平日の仕事終わりに待ち合わせをした。
半地下の個室居酒屋で、周りの目を気にせずゆっくり話すことが出来た。
山名君も基本的におしゃべりな人だったから聞き役でいれば良い。
その方がずっと楽だ。
佐々木さんと違うのは、喋りすぎた後に決まって「それで佳花さんはどうなんですか?」と尋ねてくれるところだ。
山名君は言った。
「実は僕、彼女がいるんですよ」
私は面食らう。
「そうなんだね」
少しの沈黙の後、私が口火を切る。
「えっと…彼女さんは、山名君が異性と二人きりで会うことは平気なの?」
「どうだろう…。そんな話しないからな」
山名君は何事もないことのように軽く言う。
三つも歳下で、今時の、ノリの良い男の子とはのんなにも理解できない存在なのかと呆れてしまった。
「佳花さんの雰囲気が素敵だなと思ったからお誘いしたんですよ。ただそれだけ」
酔いが回って山名君は上機嫌で、そんな姿をみていると私も気にならなくなった。
山名君との時間が楽しいなと思ったから、今一緒にいる。ただそれだけ。
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