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逢いたい人
そうして、もし綺麗になったならどんな恋愛をしたいだろうか?
頭の中に浮かぶのは、桐谷涼の人懐っこい笑顔だった。
その姿は17歳のままだった。
制服の夏服を着て、髪はさらさらと風になびく、図書室へ続く渡り廊下の手すりに手をかけグラウンドを見ている。
彼の隣にはいつだって男女関係なく人が多くいるのに、放課後の時間は時折1人でそこにいた。
私はいつも彼を目で追っていた。
もしかしたら桐谷涼はそんな私に気づいていたのかもしれない。
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