(二)

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 翌朝、彩香は家を出る前に、先に家を出ようとしている隆利に向かってゴミを出すように声を掛けた。  彩香は支度を終えて玄関に出てきた。玄関先に置いておいた丸々と太ったゴミ袋の姿がなかった。隆利が持っていってくれた。多くの家事はほぼやらない夫だが、これだけは唯一の例外だった。  彩夏は勤務先である極皇商事の本社ビルに出勤した。四十二階のオフィスに入ると、広い空間が広がっていた。  彩香がどこへ行って良いか戸惑っていると、背後から声を掛けられた。男性の低い声だ。 (続く)
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