(二)

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 彩香が振り向くと、そこには背の高いナイスミドルな男性が立っていた。高級そうなスーツに左手をポケットに突っ込みながら、右手にはカップ式のベンダーで購入してきたコーヒーを手にしていた。 「お前が新人の桜木か」  彩香は「はい!」と大きな声で返事をしてから「桜木彩香です」と名乗った。 「こっちだ」  そう言って反町部長は、廊下に出て左手の方へ歩き始めた。彩香はそれについていった。  案内された部屋に入ると、中は雑然としていた。デスクは一つだけだった。 (続く)
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