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彩香が振り向くと、そこには背の高いナイスミドルな男性が立っていた。高級そうなスーツに左手をポケットに突っ込みながら、右手にはカップ式のベンダーで購入してきたコーヒーを手にしていた。
「お前が新人の桜木か」
彩香は「はい!」と大きな声で返事をしてから「桜木彩香です」と名乗った。
「こっちだ」
そう言って反町部長は、廊下に出て左手の方へ歩き始めた。彩香はそれについていった。
案内された部屋に入ると、中は雑然としていた。デスクは一つだけだった。
(続く)
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