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テレビでは天気予報がやっていて本日は大雨 その時は傘を持っとかないと...とか思ってた あんなことになるとも考えもしなかった 言わば俺は世間から見たら犯罪者で ほとんどの人間が受け入れない存在で でも確かに受け入れてくれる君がいる 君はフラリと現れた俺を当たり前のように 迎え入れてくれた 俺が悪いことをしたと 知ってなお 離れなかった あの時から俺の中での君の存在は 大きくなり始めた 強くなり始めた雨の音に俺は 普段のお礼も兼ねて君を迎えに行こうと思い立った 傘と寒くなってきたのでコートを羽織り 君のもとに向かった 外に出てみたら存外寒くて 身震いをひとつして歩き出した 雨音の響く中 人がごった返す街の中 ひたすらに歩を進めた すれ違う人々の楽しそうな笑い声は 聞こえないふりをした そうじゃないと何故か涙が零れそうだったから 今思うとあの時には予感していたのかもしれない 何か 何かが 君の身に何かあったんじゃないかって
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