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しばらく歩いて
そろそろかなとか思ってたら
ざわめく声が聞こえてきて
何かあったのかと思いそちらの方向を見るが
人だかりで見えない
仕方なく近くにいた人に何があったのか尋ねるとその人も分からないという
なんとも言えない焦燥感と不安に駆られて
人混みをかき分けて進んだ
そこにあったのは
人の倒れている姿
近くにはナイフのようなものを持った男がいた
何かを喚いてるが俺は倒れている人の方に
目が釘付けになって離れない
さらに近づいてみると
俺が、俺がかつて君にあげたはずの
指輪をその人もしていて
もしかしたら似たようなデザインだったのかもしれない、そんなバカなあれはオーダーメイドだぞ
ほら他人の空似とか言うだろ、ホクロの位置までか?なんて頭がガンガンと痛む中必死に
言い訳して否定して言い訳して否定して、
そして
君だった
そこでようやく男が言っていることが聞こえた
「そいつが!この子が他のやつに色目を使うから
だから!だから俺がお仕置してあげたんだ!
俺は優しいからこの子を助けてあげたんだ!
お前から助けてあげたんだ!なのに!なのに
なのになのにこの子が最後に遺した言葉は
お前の名前だ!救けたのは俺なのに!」
目の前が真っ白になって
気づいたら真っ赤になって...
遠くから救急車のサイレンの音がした
ああ、そうか俺が居たから君は、
最初から出会わなければこんなことにならなかったのに、オレか...
雨だったはずの水はいつの間にか
雪に変わっていた
そういえば今日はクリスマスイブ
メリークリスマス
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