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捜索にあたる家まで馬を走らせ中に入ると、
そこは悲惨な状態だった。
ドアは外れて、窓は割れ、本棚も食器も全部がゴチャゴチャだった。
ソファやシーツなんかには大量の血がついている。
これは全部、亡くなったエルフの血だ。
この世界は、エルフをこっぴどく嫌う。
はるか昔、エルフが王国を襲い、一つの国が地図から消えてしまったという伝説がある。それが我が国、ユリオス王国なのだ。
しかし伝説というだけに謎が多く、真実は誰にもわからない。
また、エルフの特徴でもある白髪や青い瞳、何千年も生きる生態を理由に、
人間は彼らを化け物と呼んだ。
心底くだらないと思う。
これが教育の一環として、脳に刻まれるのが気持ち悪い。
「おーい、ちゃんと探してるのか?ルイ」
寝室を探すノアが声をあげる。
「あることにはあるが、どれも血で汚れてる」
「まじかよ、、」
見つけるまで帰ってくるなと、隊長から釘を刺されている。
嫌でも見つけなければ、ルルのもとに帰れない。
心は痛むが、探さなければ。
倒れた本棚を起こしたとき、ハラリと一枚、紙が舞った。
「…?」
今は使われていない麻布でできた紙だった。
気になって手に取ると、何やら地図のようなものが描かれている。
ところどころ破れており、場所が明確にはわからない。
それにしても変な図法だ…一体何年前のものなんだ?
「ルイ!あった!」
無意識に慌てて地図をポケットにしまう。
「ベッドの下に大量に羽が保管されてたんだ。見ろよ、これ」
厚い木箱の中に、何枚も重なった透けた綺麗な羽があった。
「早く隊長に提出して帰ろうぜ!」
「ああ。」
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