ちょこ見んと

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ちょこ見んと

1 / 12 バスケの試合を見てた。 たるそうに試合をサボってる、大抵の女子生徒ではなく、帰宅部ながらアドリブで順調な試合はこびをする生徒。 おそらく背が高い為に、ドリブルとシュートが苦手なんだろう(と、俺は想った) だから、背の低いバスケ部のキャプテンを、執拗にマークしてブロックしてる。但し彼女が走り込むコートは、半面だけだ。そのコート中で体力を温存しながらも、瞬発力とど根性に任せて、がむしゃらなんだろー。 だが、たぎる汗と違い表情に息苦しさは微塵も見せない。 その精神力(メンタル)は「女学生のツバメ」扱いされるぜと思いながら、何故か俺は苛っとした。 2 / 12 真面目ちゃんは(俺に生徒の名前記憶力を求めるな)バスケ授業を堪能して幸せそうに汗だくな顔をハンドタオルでぬぐっていた。 風紀の見回りの時以外は、薄化粧の他の女子の、ファンデーションや淡い香水の香りとは違い、真面目ちゃんからは少し汗の臭いがした。 バスケ部のキャプテンも汗だくなんだが、シトラスの香水が嫌な具合に混ざり、気持ち悪くなる臭いを発してるから。 タバコが嫌いじゃない俺は(程度によるが)汗だくだけの臭いの方が好印象を感じた。
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