12. 後片付け

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12. 後片付け

 ありがとうございましたと揃って頭を下げ、手を繋いで二人は帰って行く。  その背中が見えなくなって、やっと叔母さんと俺は肩の力が抜けた。 「……疲れた」 「俺も」 「でも、なんだかんだ若い子は柔軟でいいわね〜。十年後だったらこうはいかないわ」 「拗れたまま別れるってこと?」  叔母さんは飲み残したお茶入りのコップを持ち上げた。自分の使ったコップを持って後を追う。  「大人になるとね」と苦笑して、ダスターを渡してきた。  テーブルを拭いていると、コップを洗い終えた叔母さんが戻ってきて言った。   「ま、あとは二人次第よ。そうね、いろいろイベントがあると上手くいきそうよね。二人ともメンタルが乱高下するタイプだから、遠距離意外にも課題がある方が上手くいきやすいかもね。親の大反対とか」 「吊り橋効果ってやつ?」 「よく知ってるわねぇ。それそれ」  いつもより小気味よく、コーヒーメーカーが豆を挽く音が響いた。  
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