2人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
12. 後片付け
ありがとうございましたと揃って頭を下げ、手を繋いで二人は帰って行く。
その背中が見えなくなって、やっと叔母さんと俺は肩の力が抜けた。
「……疲れた」
「俺も」
「でも、なんだかんだ若い子は柔軟でいいわね〜。十年後だったらこうはいかないわ」
「拗れたまま別れるってこと?」
叔母さんは飲み残したお茶入りのコップを持ち上げた。自分の使ったコップを持って後を追う。
「大人になるとね」と苦笑して、ダスターを渡してきた。
テーブルを拭いていると、コップを洗い終えた叔母さんが戻ってきて言った。
「ま、あとは二人次第よ。そうね、いろいろイベントがあると上手くいきそうよね。二人ともメンタルが乱高下するタイプだから、遠距離意外にも課題がある方が上手くいきやすいかもね。親の大反対とか」
「吊り橋効果ってやつ?」
「よく知ってるわねぇ。それそれ」
いつもより小気味よく、コーヒーメーカーが豆を挽く音が響いた。
最初のコメントを投稿しよう!