プロローグ

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プロローグ

初めての登城に緊張し、王子の婚約者を決めるお茶会で筆頭代表としてわたくしは家の期待も背負い万全に挑みました。 その甲斐あってか無事王子と婚約をし、一息ついたところでお城から自宅に変える道中、慣れ親しんだ玄関の段差に転けて頭をぶつけてわたくしは倒れてしまいました。 そしてありきたりなことですが、前世というものを思い出してしまったのです。 わたくしの前世は、アイドルオタクでした。 ライブに遠征、グッズに遠征の度に推しのためにお洒落したいと増えていくお洋服などなど。 衣食住を削っても削りきれないほどのめり込み、やがて栄養失調で死んだ前世でした。 だからでしょうか。 わたくしはこんなことを考えてしまうのです。 推しが足りない! 大切なことなのでもう一度言いましょう。 推しが!!足りない!!! いいえ、いいえ。 この世界はどこの乙女ゲー?と言うほど美少年も多いのです。 王家のお茶会にも美少年と美少女ばかりでしたわ。 あと十年もすれば立派に育ち、どこの事務所からも引っ張りだこでしょう。 事実、わたくしも自分で言うのもなんですが、かなりの美少女です。将来に期待ですわ! 縦ロールは以前のわたくしの趣味でしょうか?きつい目元と合わさって悪役令嬢のようですわ。 ………まさか、わたくしがこの世界の元を知らないだけで事実この世界が乙女ゲーの世界でわたくしが悪役令嬢なのでしょうか? いえ、でもそんなことはどうでもよろしいわ! 美青年もたくさん居る筈ですわ! わたくしが推せる美青年が!この世界に!! その時のわたくしはこの世にいるであろう美青年に想いを馳せ忘れていたのです。 王子であるアトリオ様との婚約が決まってしまったことに。
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