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去年のクリスマスのパーティーで、俺が朋美の作った手料理を褒めたことで、前々から正文に不満を持っていた彼女との仲が一気に深まり、いつの間にか交際に発展していた。
千佳は俺に隠れて正文と付き合い、俺も千佳に隠れて朋美と付き合いを始めていた。
それを思うと苦笑してしまう。
ある意味では似たもの夫婦だったのかもしれない。
そして俺も今は幸福だし、千佳も同じなのだろう。
朋美と夫婦になった今でもときどき、千佳があの日放った言葉が頭をよぎることがある。
(……自分の気持ちに正直になろうって決めたから……)
まったくその通りだ。
自分の気持ちにウソをついてはいけない。
自分の欲求に正直になったおかげで、俺は今こうして新しいパートナーとの新婚生活を楽しんでいるのだから。
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