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64.ただ、愛を叫んでいるだけ
何度も果てて口の中を番の舌に支配され永遠かと思う程にその行為が繰り返される。
出るものも出なくなって意識が朦朧としてくる。
「·····は···っ···」
ラット状態のαの興奮はまだ続いている。あんな姿見せられて興奮が早々治まるわけがない。
その行為は洋が気絶した後も行われた。
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「·······ごめんなさいっ!」
「ごめんなさいっ!······じゃねぇよ!」
アフターピル持ってて良かったと心底思う。
運命の番・発情状態・避妊具なしのフルコンボでまぐ合っての中出しなんて普通なら確実に妊娠確定していただろう。
日頃から薬を持たせてくれている洋母に心から感謝したい。
「せめてゴム付けろよ!初っ端からINする馬鹿いねぇよ!!」
はい。ここに居ました。
「無茶言うなよ!帰って来たら部屋中ヒートの匂い漂ってる上にベッドの上に巣作りしてるドエロ嫁いんだぞ!「美味しく食べてね♡」って言ってんだぞ!!」
「言ってねぇよ!どう解釈すりゃそうなんだよ!?」
「言ってるようなもんだろ!好きな子が見せつけるようにおひとり様遊びして準備万端にしてんだぞ!エロ可愛すぎて鼻血噴射して死ぬかと思ったわ!!」
逆ギレで怒鳴る昊の言葉はただただ愛を叫んでいるだけだった。
言ってる本人も言われてる本人も恥ずかしくて顔から火が出そうになっている。
「もぅ····本当好き····」
「···············」
キレながらも平気で告白してくる昊に呆れながらも洋はボソッと呟いた。
「え?何??」
「何でもないっ!」
調子に乗りそうな年上ワンコαに何度も言うつもりはない。
それにだ。実は聞こえていたのだからもう良いだろうと洋は昊に風呂に入って来るように言い、さっさと脱衣場に向かわせる。
「······たくっ」
脱衣場に押しやって扉を閉めた後に洋は溜息をはいた。
「ベッド·····掃除しよう······」
己が昊の服で巣作った場所を片付ける。自分の顔が耳まで赤かったなんて洋も気付いていなかっただろう。
---俺も······
好き·······
「····はぁ~~~·····」
浴室でシャワーを浴びていた昊は洋の言葉を思い出して大きな溜息をついた後、ニヤつきが止まらない。
普段好きだとか言わない番から聞いたその言葉の破壊力は半端なかった昊はシャワーの湯の温度を下げて火照った身体を冷ました。
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