『 リアのいない日 』

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圭一郎の眉間にシワが寄る。「それって泥棒みたい」 「なに言ってんの? 泥棒は取っていくけれど、この人は置いていくほうだよ」 「だったらお兄さんたちも早く寝なくちゃ。ここに来てないでさ」 圭一郎がふたりに嫌味っぽく言った。 それに 「…大人になるとね。サンタは来ないんだよ」 龍之介と 「…そう。むしろ、こっちがサンタになる場合も……」 拓真が揃って下を向く。 ふたりから ずーーーーーん…という音が聞こえてくるようだ。 「そう…なんだ……」 その落ちこむ様を見る限り 次の言葉が出てこない。
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