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「フランスで?」
やっぱり。
意外に思うかもしれないけど、先に反応したのは保の方だった。
僕が将来は日本料理店を開きたいって夢があるように、保もパティシエになりたいっていう将来の夢があるんだ。
フランスはパティシエの本場だからね。
「保も鈴木くんも応援しに来てよう。自由時間は一緒に観光しよう?」
「解りました。家に帰ってから親に許可を貰います」
「俺も行っても良いぜ。てえか、優勝したらキスしてやるよ」
ええっ?!
保からキス?!
僕はビックリしたけど、俄然やる気が出てきた。
僕は鞄から今日貰った栞を取り出す。
宿泊先とか2泊3日でフランスには居るんだけどその日程とかコンテストの場所とか。
栞には詳しい事が全部載っている。
それも地図付きで。
「僕、優勝出来るように頑張るよう!それで詳しくはコレ見て?」
僕は2人に栞を開いて見せたけど、鈴木くんはそれどころじゃないみたいだ。
「千夜くん、本当に山村先輩が優勝したらキスするのですか?!」
鈴木くんは僕のことになると、冷静さを失うことが多い。
何か…ママみたいだなぁ。
でも僕も保の次の言葉で冷静さを失った。
「本当も何も山村が優勝出来る訳ねーだろ」
「そんなのわかんないじゃないかあ!」
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