7あなたが欲しい

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◇◆◇ 「今日でウィリアム様は成人されましたね?」 「そうだ。そして晴れてこの領地の本当の領主となれたのだ。グレンありがとう。お前のおかげなのだろう?」 「いえ、私はただ、あの狸どもの化けの皮を剝がしたかっただけです。事実しか王都には伝えておりません。元々この地はウィリアム様のおじいさまの領地だったのです。私は取り返すきっかけを作ったまで」 「そうだったのか。ありがとうグレン。お前にはいつも助けられてばかりだ。感謝の気持ちを表して何かお前にやりたい。欲しいものはないか?」 「……あります。なんでもよろしいのでしょうか?」 「ああ! もちろんだ! 僕に出来る事なら何でもいいぞ」 「私が欲しいのはウィリアム様。あなたです」 「……え? 僕?」  呆けた顔のウィリアムが可愛い。 「なんでもいいと今おっしゃいましたよね?」 「……本当に? 主に気を使っているのではないのか」 「しつこいですよ。あなたはこの期に及んで自分に自信がなさすぎますよ。私はもう何年も前からあなただけを見てきたというのに」 「嬉しい……グレン」  潤む目が見上げてきた。長いまつげが濡れ、瞳の中に映るのは俺の姿だ。 (ぐぅ。可愛すぎる) 「ウィリアム様。わたしを煽りまくった責任をとってくださいね」 「煽るとはどういう意味だ?」 「こういう意味です」  俺はウィリアムを横抱きに抱えるとそのまま寝室へと運んだ。 「わわわっ? グレン? そ、そのお前が欲しいのは僕の心? それとも……」 「全部です! 心も体も。わたしはお金には興味はありません。あるのはウィリアム様、ただ一人だけ。あなたはわたしの運命なのです」 「グレン……僕もグレンだけだ。僕の周りからは皆消えていく。でも何もなくてもいい。そのかわりグレンだけは離したくなかったんだ」 「可愛いことばかり言いすぎると私が暴走してしまいますよ」  ベットに静かにウィリアムを横たえると俺は片眉をあげた。
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