7あなたが欲しい

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「僕はその……義兄上の部屋のベット下の教材を読んで勉強したことがある」 (つまり兄貴の部屋のエロ本を読んだってことだな?) 「その……い、いろいろと書かれていた。恥ずかしがらないようにと指南書に書いてあった」 「……へえ。指南書ですか?」 (相手を喜ばせるハウツー本ってとこか) 「だが、その。文字で読むだけではわからないことが多いから僕にくわしく教えてくれないか」  ウィリアムが首を傾けながら聞いてきた。 (ぐはぁっ!可愛い!) 「かしこまりました」  グレンがそっとウィリアムを抱きしめる。途端にウィリアムの顔が真っ赤になった。 「白い肌が赤く染まってとても綺麗ですよ」 「男の僕に綺麗なんて言葉はおかしいのではないか?それならよほどグレンのほうがカッコイイと思うが……」  ウィリアムが上目づかいで聞いてくる。ほんのりと上気した頬に形の良い唇が開き気味だ。 (やべえよ。可愛すぎて鼻血出そうっ) 「リアム。愛している……」  グレンはちゅっとウィリアムに口づける。 「……んん?」  あれ? このくちづけは……あのときの? 忘れもしない。誘拐された日の口づけ? 「グレン……おまえ……あの日もしや」  「ふっ。気づきましたか? そうです、誘拐された貴方を助けたのはわたしです」 「じゃぁ……あの時のキスはお前だったのか! ふぁっファーストキスだったんだぞ」 「ふふふ。やはりそうでしたか。ごちそうさまでした」  「ばか。僕はずっと賊の奴らに汚されたのかと……なのに。もっと早く言ってくれよ」 「え? ではいつもうなされてたのは」 「ああ。初めてはお前がよかったのだ。だから僕は……」 (なんだこの可愛い生き物は!) 「くそっもぉっ。可愛すぎんだよっ」 「グレン?いつもと口調が違うぞ?」 「好きだ!愛してるっ!俺と一緒になってくれ!」 「っ!……それってプロポーズなのか?」 「ずっと一緒にいてくれ!」 「本当に僕でいいのか?」 「当たり前だ!何度でも言うぞ。俺はお前を愛しちまったんだ!もうお前は俺のもんだ。誰にも渡せねえっ覚悟しろよ」 「ううっ。ひっく。グレン……」 「え? なんで泣いてる? どっか痛いのか? わりぃっ俺なんか酷いこと言ったのか?」 「ちがっ。嬉しくって……ひっく。お前と一緒になれるなんて……うれしっ」 「それ以上可愛いこと言うと屋敷に囲って二度と外に出れなくしちまうぞ」 「ぷっ。ふふふ。なにそれ。怖いよ。ふふふ」 (俺は本気なんだがな。まぁいいか)  こめかみにキスを一つ落とすと俺はウィリアムの身体を引き寄せ優しく抱き込んだ。
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