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8エピローグ
しばらくして屋敷の改装が始まった。ウィリアムは使用してない部屋の一部を教室として使いたいらしい。王都から信頼のおける教師も呼び寄せる予定だ。学校が出来上がるまでの措置だという。
今まで養父母たちに搾取されていた遺産もウィリアムが利用できるようになり屋敷の使用人を増やすことにした。
あれからウィリアムには魔力がある事が分かった。
「水と土と光属性か」
潜在的に持っていた力なのか。譲渡によって現れたのかはわからない。
「それを使って農地を開拓して領民達に分け与える手配もできるかもしれないぞ」
「そうか。もしよければ僕にもっと魔術や魔法の事を教えてくれないか」
「もちろん! あぁ。それもわかってて俺を弟子にしたのかもな」
「グレン?」
「いや、師匠は……リアムのおじいさんは偉大な人だったよ」
きっとこの領地は今まで以上によくなるだろう。
「グレンはおじいさまの事をよく知っているんだね?」
「ああ。頭の回転の良く回る人だった。人種の違いなども気にせず、誰とでも分け隔てなく付き合える気の良いじいさんだった。人間でないものにも同じように目をかけてくれる人だったよ」
「凄い。そんな人が僕のおじいさまだったなんて尊敬する」
「はは。その言葉、師匠が聞いたら泣いて喜ぶかもな」
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