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「シキ…!?」
ギルは慌てて駆け寄ってきて俺の様子を見てベルを思い切り鳴らし、少ししてアレックスが飛んできた。
「おいどうしたらいい!」
「知らねーよ俺も経験ねーし!!」
二人で慌てふためいていて、ベルの音を聞いた使用人の女性も様子を見に来てくれて慌てて二人に指示を出していた。
ギルは俺の手を握ってくれて、アレックスはタオルやお湯をよういしてくれていて女性に言われる呼吸法で呼吸をすれば散々出てこなかった子がゆっくりと進み始めた。
「ゔぁ゙ぁ゙!!」
「落ち着け暴れるな…!」
痛みに暴れてしまい、ギルに両手の指を絡めて布団に縫い付けられてギルが呼吸法をしてくれてそれを真似てゆく。
今まで感じたことの無い激しい痛みだが、ギルがそばに居てくれるしアレックスも女性も俺の為に動いてくれている。
「んぅぅうう!!!」
頭も出てきてアレックスもギルも頑張れと声をかけてくれていて、更に力んでやっと赤ちゃんは生まれ落ちた。
湯で洗い赤ちゃんを綺麗にして背中を撫でたりしているが、全く反応が無くて焦っているように見える。俺と繋がっているあの子は…やはりもう死んでしまっているのだろうか…
だがギルが受け取り背中を摩っていれば産声をあげた。良かった…生きてた…安心した瞬間体の力が抜け意識も失ってしまった。
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