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毎日役立たずを置いていくなんてと陰口を言われ続け、ほとんど部屋の隅から動くことも無く過ごし四日後扉が開きギルが戻ってきた。
俺の様子を見て目を見開き、駆け寄ってきて俺の頬に触れてくる。俺は本当について行って良いのだろうか?邪魔でしか無いんじゃないだろうか…
「騎士様モンスター討伐ありがとう」
「俺はこいつを任せると言ったはずだが」
「えぇ三食ちゃんと米とパンも与え」
「だったらこんなに怯えて居るはずがない…」
俺を抱きしめてくれ、背に手を回してギルの帰還を感じた。震える手でしっかりだきついていて、家を連れ出されれば柔らかな風が吹いていて大地が命を吹き返し草が生えている。
「ぅ…?」
「こんな事なら討伐なんか行くんじゃ」
ギルの口に人差し指を当てる。俺一人の為に村を見捨てるなんて絶対良くない…それは俺でもわかるよ。ギルは村長達が食料を用意してくれたものも無視をして俺を馬に乗せて、自分も乗り一瞥して馬を走らせ始めた。
気付かなかったけれど、ギルの腕の中に居て初めて自分が空腹である事に気付いた。一睡も出来なかったし、ウトウトし始めてグラッと体が揺れギルは片手で俺を抱き寄せてくれた。
「ぁ…ぅぁ…」
「大丈夫怒ってない」
怒られると思い身をかがめれば声をかけられ、安心した瞬間お腹が鳴ってしまう。ため息をつかれビクッとしたが、しばらく走らせ道中の人気の無い小屋で馬を止めて降ろされた。
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