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「ぁ…」
いつも気味が悪いだの不気味だの言われていたこの赤い眼が褒められたのは初めてで、嬉しくて笑が零れていれば射殺すような殺気にギルを見ればじっと俺を見つめている。
「お前の赤い眼は美しい。穢れを知らない白い透き通るような肌や俺を受け入れてくれた心の綺麗さも美しい。俺の子を孕むこの身体も愛おしく美しいと俺は思っている」
「ぅあ…ぅぅ…」
押し倒され身体を撫でられ、恥ずかしくて腕で顔を隠せば手を退けられ真っ直ぐ見つめられ顔が熱くなってゆく。お前は俺の物だと言わんばかりの目で、腹の奥がギルを求め始めるのを感じた。
「俺にも笑みを向けたらどうなんだ」
「っ…!」
「お前の夫はあいつじゃなく俺だ。あいつじゃなく俺を思い笑みを浮かべろ」
口を塞ぐよう顎を掴まれ真っ直ぐ見つめられ、その瞳の奥に俺を奪われるのではないかという不安が見え隠れしている。俺なんか居なくなってもギルは色々な人が傍に居るだろう…それでも俺なんかを…
手を伸ばし胸に顔を埋めさせて頭を撫でてみる。体の力が抜けてゆき、俺を抱きしめてまるで甘えているかのように擦り寄ってきた。
「ぁう…ぁ…」
「ん…もっと」
怒られるかと思い手を離せば手を掴まれ頭に置かれ、手を動かして撫でてゆけばしばらくして寝息が聞こえてきた。その姿が愛おしく、俺はその姿を見つめながらずっと頭を撫でていた。
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