青い薔薇の咲く場所で

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そんなある日邪悪なドラゴンの討伐に向かっていた討伐隊が帰還したとあり花火も上がり街は賑やかで華々しい雰囲気に包まれていた。 城へ入るための道を見れば討伐隊が報告の為に歩いてきていて、その先頭を歩く男と目が合った。無骨な雰囲気で短い黒髪に紫の瞳で右眉辺りから左目下辺りまで大きな傷跡がある腰に剣を下げた若い男…あれが討伐隊隊長に抜擢された男… 中へ入りしばらくして、今頃は宴でも開かれて褒美が授けられている頃だろう。そんな事を考えていれば使用人が来て、俺を謁見の間へ連れてゆく。その場所は決して入る事の許されなかった王家の部屋。 扉が開かれれば豪華な内装の部屋で大勢の騎士や使用人、討伐隊の人々が居て皆の視線が俺に向けられる。訝しげな眼差しを向けられ、大勢の視線に耐えられなくて呼吸が荒く苦しくなってゆくのを感じる。 どういう状況で俺は呼ばれたのだろう。こんな祝いの席に俺は相応しくなど無いのは俺が一番わかっていて、俯いてズボンの裾を握る。 「本当にそんなモノで良いならいくらでも」 父がそう言えば隊長の男は俺の目の前まで来て、改めて俺をじっと見つめてくる。俺より少し背の高いその男は無表情で何を考えているか分からなくて、俺はストレスを発散させる道具にでもされるのだろうと直感した。
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