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「ぅ…?」
いつの間にか眠っていたようで、起きればもう日が高く起き上がって辺りを見たがギルの姿がない。またネグリジェが着せられていて、俺は中庭に向かったが今日はギルの姿がない。
「ぁぅ…ぁ…」
辺りを見ながら歩いていれば食堂の扉の前に来ていて、こっそり中を覗いて見たが人気が無い。また歩き始めて外に出て、街の中を歩いていれば皆俺を見てくる。
ネグリジェを着て素足で歩く男なんて視線を集めないわけないのだが、俺は視線が怖くて路地裏に入って物陰に隠れ膝を抱えた。
そのまま日が暮れるまでそこに座っていて、足音が聞こえそちらを見れば息を切らしたギルが俺を見下ろしていて俺は立ち上がり抱きつく。
「良かった…誘拐されたかと思った…」
「あぅ…」
ギュッと抱きしめてくる腕に力がこもり、苦しかったがそれだけ俺を心配してくれたのかと嬉しくなった。
指を絡められ道を歩いて城へ戻り、食堂へ連れていかれ椅子に座らされた。あのオッドアイの青年も居て、俺を見て安心したように息をついた。
「昼飯持って行ったら居ないから焦ったぞ…」
「ぅぅ…ぁ…」
「腹減ったろいっぱい食って元気つけろよ?」
俯けば青年に頭を撫でられ、耳元でボソッとこの後の為に体力つけなきゃだろと言われカァと顔が熱くなる。
「ぅー!!」
「あははっ!かーわーいーいー」
俺がぺしぺし叩けば楽しそうに青年は笑ってたが急に血の気が引いたような顔をして食堂から出て行ってしまい、ギルを見ればゆっくり息を吐いて俺を見つめてくる。
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