37人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
毎晩毎晩体を重ね、一ヶ月ほど経ったある日そういえば出血が無い事を思い出し腹を撫でる。いつもなら出血して腹痛に襲われるのに、どうしてなのだろう。
首を傾げながらもいつものように朝の鍛錬をするギルの元へ行き見ていれば、誰かの使いのような人がギルの元へ来てなにやら手紙を渡している。それを開いて見たギルはそれをくしゃりと握り潰してその使いに何かを言って使いは必死に何かを言っている様子。
「ですから貴方様の御力が必要なのです!」
「あんな奴等の事など知った事か。二度と俺の前に姿を現すな消えろ」
見た事あるような使いだと思っていれば父の部下で、俺はギルにまたモンスター討伐を依頼しているのだろう事はわかった。
くいと袖を引けばギルは俺を見て後ろに隠して使いと話していたが、俺はギルの前に回り手を取って文字を書く。
『助けを待ってる人が居るなら助けてあげて。俺のカッコイイ旦那様』
「っ…!お前を酷い目に合わせた者達などどうなろうと知った事では無い」
『ギルにしか出来ないって事は凄い事なんだよ?ちゃんと良い子にしてるから』
ニコッと笑みを向ければ何か言いたげな顔をしたが、貪るようなキスをしてくれてから使いと共に馬に乗り出かけてしまった。
お腹の事…相談したかったんだけど…まぁすぐ帰ってくるよな?
最初のコメントを投稿しよう!