青い薔薇の咲く場所で

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俺はいつも窓から外を見つめてギルの帰りを待つ。そんな日が続いていたが、ある日アレックスが料理を持ってきてくれていつものように食べようと思ったが気持ち悪くなり口を塞ぐ。 「ど、どうした!?体調悪いのか?」 アレックスに背中を撫でられたが、俺は首を振りふらとベッドに向かいベッドに横になる。アレックスが額に触れてくれて自分の額にも手を当てるが、熱は無いよなとぶつぶつ言っている。 「でも何か食わないと…」 心配そうに言われ、起き上がり椅子に座りスープだけ口に運ぶ。固形物が喉を通る気がしなくて、毎食アレックスは栄養を考えたスープを作ってきてくれる。 ある日スープを口に運んでいれば使用人が部屋に来て俺に救いを求めてきたので、俺は困惑しながらも初めて謁見の間に入れば見た事の無い使いの人達が居た。皆腰に剣を下げていて強そうに見える。 「ギルベルト領主に謁見を願ったのだが…?」 「ぅあ…ぁ…」 何か言わないとと思ったが、やはり言葉が出ない。使用人達は怯えているようで、俺は一番偉そうな男の人に帰って貰えるようぐいと押すがビクともしない。 「こんな者に相手をさせるくらいだ。この領地貰い受けるなら今だな」 「ぅ!!」 ニヤッと笑ったのが見え、扉の前に立ち手を広げた。この扉の先には俺なんかに頼ってくれた使用人の人達が居るんだ…俺が…守らないと!
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