37人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
だが扉が勢い良く開かれ、そこにはギルが居て俺を見て目を見開いている。そして何が起きたか理解する間も無く使い達は床に倒れていて、ギルはアレックスに色々持ってくるよう頼んでいた。
慌ててアレックスが持ってきた応急道具を傍に置き、剣を引き抜いて素早く手当をしてくれている。そして俺の腹を見ていて、腹に触れて力を込めてくる。
「ぅう!」
「まだ俺の子を妊娠したか分からんのに他の男の子種が仕込まれたなど気が狂う…!!」
その言葉に俺は首を振り、ギルは困惑したように俺の頬に触れている。あぁわかった…俺が出血しないのも食事の匂いで気持ち悪くなったのもきっと…
「まさか…本当なのか…」
包帯の巻かれた手でお腹に愛おしそうに触れれば引き寄せて抱きしめられた。俺は背中に手を回してギルの帰還を喜ぶ。
「とりあえず…」
離れて倒れている男達を縛り上げ荷馬車に乗せて、手紙を一通添えてやれば御者は荷馬車を走らせてゆきギルはまた俺の元へ戻ってきて姫抱きをして風呂場へ連れてゆき包帯が濡れないよう体を洗ってくれる。
そして俺は軽い物すら持てなくなり、食事も食べさせてもらい排泄もギルの手を借りてしまう。まるで介護のようだと思いながら、ギルは嫌な顔せず俺の世話をしてくれる。
最初のコメントを投稿しよう!