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街は夜まで賑わっていたが、そんな中を俺達は闇に紛れて街を出た。街の外は闇が支配しているかのように見え、ギルの服を掴んだがゆっくり離されギルの愛馬であろうか黒馬に乗せられギルは後ろに乗り俺を抱えるようにして手綱を握り馬を走らせた。
かなり揺れ俺はギルの腕に掴まり、初めて感じる強い風に恐怖すら感じた。だがしばらく草原を駆けてゆけば、それが心地好くも感じ始めた。
だがそんな思いはすぐに消え去ってゆく。狼のようなモンスター数匹に囲まれていて並走されていて、唸り声に俺は恐怖に手が震える。
「ガウッ!!」
次々に飛びかかられ、俺は頭を抱えて身をかがめたがザシュッと言う音が数回してからまた馬の駆ける音だけになり剣を収める音がした。
「ぁぅ…ぁ…」
「どうし…あぁ」
どうしようかと思って困惑していれば俺を見てギルは森へ入り、浅い川のそばで俺を下ろして見下ろしている。俺の下半身はぐっしょり濡れてしまっていて、馬の背も濡らしてしまっている。
怒られると思い、頭を守ったがギルは馬から荷物を下ろし馬に川に入らせ体を洗ってやっている。俺は恐ろしくて小水を漏らしてしまい、おねしょをして父に激しく打たれた事を思い出しその場に座って土下座をして頭を地につける。
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