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横顔しか知らない
僕は、キミの横顔を見る。
横顔しか、見れない。
だってキミは、素敵すぎるから。
僕なんかが、じっと見つめていいような相手じゃ、ないから。
キミは、魅力的だ。
だから僕は、キミの横顔を描く。
僕が知ってるキミを、キャンパスいっぱいに描く。
僕は絵が上手いわけじゃないけど…それでも、キミの魅力が少しでもこの絵を見た人にキミの魅力が伝わるように、力を入れて描く。
その横顔は、いつも違う色が滲んでいた。
嬉しい、悲しい、悔しい、寂しい、楽しい、羨ましい、苦しい、怖い、憎らしい、そして、好き、嫌い。
キミの横顔は、まるでパレットのようだ。
いろんな色が、お互いを尊重し合いながらも溶け合っていく様子は、見ているだけで楽しい。
ただ、僕は思う。
こんなに魅力的な横顔を、誰にも見せずに自分のものにしたいな、と。
そう思うたびに、自分の醜さに失望してしまう。
ああ、やっぱり僕は、キミには釣り合わない。
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