茶房にて、有名な探偵の至上命題とハーブ研究家の至上命題

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茶房にて、有名な探偵の至上命題とハーブ研究家の至上命題

多々園(ただぞの)さん。東京の連続殺人犯と思われた一連の殺人事件ですが、殺害現場に犯人とおぼしき証拠がありました。深夜二時に、不審な電話を聞いた友人がマンションに行ってみると、そこに友人の死体が」 「木畠(きばた)君。早急に判断するのはよしたまえ。犯人の手がかりとおぼしきものでも、わざと置いたかもしれない。君の言うように、その机に時計があったなら、そこに犯人が置いたのだ」 「捜査をかく乱するためですか?思い出の時計をそこに?なんと・・・」  隣では、探偵の多々園栄次郎(ただぞのえいじろう)が、警察に請われて、事件の捜査を助けてやっている。 (うっわ。今日もやってる)  巷では知られてないが、警察が多大に尊敬を尽くしているところを見ると、かなりの探偵のようだ。しかし、いくら優秀でも、探偵ではあまりこの世に有名になることはない。そういう職業だ。  それに、有名になってしまっては、探偵もこっそり調べることは出来ないと思われる。ので、警察内部で有名。そして、警察内部だけの有名探偵。  でも、私は隣ということで、知ってしまった。 「では、犯人は全員が寝静まった後、被害者を呼び出し、殺害後、夫にわざと発見させ、その後、あとから遅れて現場に到着した、ということですか?」  うっわ・・・富豪女性の誘拐事件、そんなになってるの?
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