茶房にて、有名な探偵の至上命題とハーブ研究家の至上命題

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 私はハーブティーを作る。今回、精魂込めて作ったミントを絞り出したお茶だ。  私がハーブティーをしようと思ったのは、香りが好きだから。  疲れた時、マッサージやお風呂、お茶として飲んだり、とても癒されたから。  だから、そもそもやるなら、農作物として一から作ってみようと思った。  農作物として一から研究し、最も良い極上のハーブティーを作るのだ。  私のハーブティー。極上の逸品。  私のハーブティーを味わうことが出来る人が、最高クラスの人間よ。 「う、うげ。まず・・・」  試しに爺やに飲んでもらった。爺やは勘弁してくださいと口を押さえ、首をいやいやする。 「な、なにおう。そんなはずは。私が一から研究し、作ったハーブティーなのよ。いったい、なぜまずいの?ちょっと貸してごらん。う、うえ、まず」  しかし、私のハーブティーはマズイ。  ハーブはフレッシュなのから、干したものまで段階に分けてもあるし、寝かせて置いていくものもあり、様々だが、ハーブティーというのは結局、とどのつまりは、マズイものがほとんど。  だったら、なぜハーブティを?と思われるだろうが、ハーブという香りの世界で、極上の逸品を探す。  それが私の至上命題なのだ。
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