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「二歳? そんなに近いの? 二つ下ならむしろちょうどいいじゃないの」
「……いや、二つ上。リリーラの方がね」
「そうなの……。って、え!? 待って。妹!? ではアンはもっと年上ってこと? 」
「そりゃあ、7人も子供がいるんだから。30は過ぎてるはずだよ」
「う、うそでしょぉおおお!? 私たちより軽く10以上も上の人を気安く呼んでいたってこと!? 私ったらなんて失礼なことを! それに、なんて美魔女! 」
「はは。魔女? 言われても信じるくらい不思議な人だね。いいんだよ。アンがそうしてくれっていたんだから。本音が聞きたかったんだと思うよ」
「でも、でも……」
「いいんだって。彼女が気にしているように見えるかい? 」
「いいえ」
「だろう? いいなって思うよ、彼女のそういうところ」
ヴェルターが目を細めた。リティアはヴェルターがアンを褒めてももう平気だった。そうではないと知っているからだ。
「ええ、私も素敵だなって思う」
「うん。さて、とにかく叔父上もリリーラも大人だからね。きっとうまくやるさ。で、アンのところも、仲直りしたかな」
「ペールはいくつなの? 」
「叔父上と同い年」
「……うーん、どちらが大人に見えるのかはさておき、二人が同い年っていうのもピンとこないわね」
「はは、わかるよ」
ヴェルターと笑い合いながら長い廊下を歩き、リティアはふと周りを確かめた。
「ヴェル、こっちは私の部屋ではない気がするのだけど……」
「うん。僕の部屋に行こうかと」
「ヴェルターの? なぜ」
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