第3話 秀抜な男性と偶発的を装った何らかの力が働いた計画的出会い。

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「リティ? 」  再び名前を呼ばれ、リティアははっと二人を見上げた。 「どうかしたのか? 」  レオンは金髪に碧眼というこの世界ではそう珍しくない髪色と瞳の色にも関わらず、ひときわ目を引いた。華があるのだ。柔らかで話しやすそうな雰囲気。それでいてひとたび剣を持つと人が変わったように凛々しくなると噂で聞いていた。 「ええ。二人、久しぶりだなって懐かしくなっちゃって。その、素敵ねレオン。騎士団の制服姿」  見てみたいな、レオンの剣を持つところ……。  レオンはランハートと違い、感情のまま目を大きく見開くと、リティアではなくランハートの方へバッと音がするくらいの勢いで顔を向けた。ランハートは苦笑いをしてレオンの驚きには答えなかった。 「リティ? しばらく会わない間に雰囲気が変わったな。以前みたいになかなか宮廷にも顔を出さなくなったし」  レオンにまで指摘され、リティアは安易に褒めたことを後悔していた。 「そんなことないわ。久しぶりだからそう思うんじゃない? 」 「うーん。そうか、確かにドレスの趣味が変わったか? えー、ヴェルターの趣味か? あいつに会いに来たんだもんな」  矢継ぎ早になされるレオンの会話に、リティアは一つだけ答えることにした。 「ええ、まあ、そうね」  リティアは、にこり笑顔を作ったがうまく笑えていなかった。加えてレオンは違和感を黙認する性格では無かった。 「なんだ、ヴェルターとうまくいってないのか。それで、宮廷から足が遠ざかっているんだな? 」
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