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すっと横に避けたその人はレオンに用があるようで、リティアは遠慮することにした。
「レオ、ここからは大丈夫。ありがとう」
「ああ。じゃあ、失礼するよ。おっと、その前に」
レオンは側に立っていたレオンと同じ制服の男性に視線を移した。それに気づいた男性が
「私は先に行っていましょう」
と顔を上げたのをレオンがいや、と制止した。
「紹介、まだだったから。こちらは、ウォルフリック・シュベリー卿。私たちとは年も近い」
リティアは言われて、自己紹介をしようとすると目の前の男性が先に礼を尽くした。
「初めまして、オリブリュス嬢」
どこか、懐かしさを感じさせる人だった。
なぜだろうか、どこかで?
ぼうっと見ていたせいで挨拶が一瞬遅れてしまった。が、詳しい自己紹介は必要なかった。この国でリティアの事を知らない人はいないのだ。
「では」
「ええ、私もすぐに参ります」
シュベリー卿はすぐに行ってしまい、リティアは彼の後ろ姿を追った。そんなリティアに、レオンが耳打ちする。
「はは、リティ。彼すごくミステリアスでかっこいいだろ? 」
リティアはかぁっと頬が熱くなるのを感じた。
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