魅惑のプリン⁈なんじゃそりゃ⁈

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魅惑のプリン⁈なんじゃそりゃ⁈

「…できた…!そうだなぁ、名前は…『ストロベリー・ドリーム』!」  私はたった今できたばかりの新作プリンに名前をつけた。  そう、この天才プリン職人(自称)・甘夢メル様の新作だー!  改めて、出来立てほやほやの自信作を眺める。  艶を帯びて煌めくカスタードプリン。その上で堂々と席を有するカラメル。そんなカラメルの上にふわふわのお布団のようなイチゴ風味の生クリームをホイップ。   そして極め付けには栃木県にいるおばあちゃんからもらった栃木産のイチゴを乗せたら、甘い夢の出来上がり!  思わず見惚れてしまう。  ああ、食べるのがもったいない!  けど、食べなきゃもっともったいない!  私はすぐにキッチンに戻り、戸棚に並ぶ茶葉の瓶の中から、パパおすすめの茶葉を取り出した。  その紅茶を淹れて、バイクの音が聞こえたら外に出る。  ポストには、スイーツの情報新聞が入っていた。  その新聞と紅茶、そしてプリンをお気に入りのテーブルかけが掛けてあるテーブルに置いて、椅子に座った。  よし。食べよう!  私はそっと、赤いイチゴをスプーンで掬った。  そしてそのまま、口に運ぶ。  ちょっと罪悪感。でも数秒後には… 「美味しい〜っ!」  私は思わず叫んだ。  さすが、栃木産。  そして、クリームの乗ったカスタードプリンも掬って口に運ぶ。  はぁ。最高〜!  私は幸せな気分に浸りながら、スイーツ情報新聞『メルティー新聞』を開いた。  …開いたのはいいものの。  新聞の一面の見出しにデカデカと書かれた文字に、私は目を丸くした。 『魅惑のプリン・ア・ラモード!謎を解けなければ味わえない魅惑の味!』 「な、なんですとぉ〜⁈」    魅惑のプリン⁈謎解き⁈魅惑の味⁈  そんなの私が、見逃せない!  …っていうか、なんなの魅惑のプリンって⁈ 「なんじゃそりゃ⁈」  私は紅茶とプリンを片付けると、支度を始めた。          
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