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「あれでよかったのかな?」
「陽翔を私の夫だって認めてもらえたし、私達の用意したお金で、とりあえず社員さん達のお給料は払えることになったんだから、あれでいいのよ。それに気休め程度にしかならないのは、最初からわかっていたことじゃない。二階堂の全部を助けられるわけないでしょ。今日は、お父さんの意識を少しでも変えられたからそれでいいの。」
「珠香が良ければ、それでいいんだけどな。」
「それより、私は陽翔に無理させちゃったって思ってて。お義母さんに無理言ってお金借りちゃったし…。」
「ああ、あれね。珠香は気にしなくていいよ。出世払いで良いって、メッセージ来てたし。」
「えっ!そうなの?!」
「俺、昔は、かなり放任されてて、不貞腐れてた時期があったって言ってただろう。だけど、親父も母さんも、将来、俺が大学に進学するなら必要だろうって、コツコツ金を貯めてたらしいんだ。でも俺は、防大に進学しただろう。進学の資金はほぼいらなくなったからさ、その金は、俺が困った時や結婚する時に使えばいいってキープしてたらしいんだ。でも、俺は、あの金は、ちゃんと返すつもりだよ。親だからって甘えるのはなしだと思うんだ。だから珠香も、協力してくれよ。」
「当たり前じゃない。私の両親を助けてもらったんだもの。協力は惜しみません。本当、頼りになる旦那様だと、改めて感心してます。」
「褒めてくれてありがとう。」
「どういたしまして。」
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