消せる後悔、消せない後悔

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消せる後悔、消せない後悔

“後悔の気持ちっていつ消えるんだろう──。” 高校を卒業して東京の大学に進学した私。 東京には生まれ育った田舎の木々の匂いはなく、近所の仲の良いおじさんおばさんから挨拶されてお菓子をくれることもないこの場所に、大学2年生になった私には慣れきった第2の故郷のように感じ始めていた。 毎日が新鮮で毎日に新しい出会いがある東京に、私は笑顔が尽きない生活をしている。 ──周りを見ると大学の講義を受けている学生がまばらに座っている。前を向き直せば白髪混じりな教授が、発展途上国における20年の経済変化について講義していた。 東京はオシャレな人達、過去を思い出させない景色。そして前に進み続け常に進化していく場所。 その現代の最前線を歩く人達の中に混ざる私は気分がよかった。 (今どうしてるんだろう......) だがそんな楽園にいる私にはずっと、気になることがあった。 ──森の緑に色付けられた田舎の高校。その私の母校に置いてきた忘れ物のこと。 同級生で、私の数少ない男友達だった人。
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