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晴翔との思い出が蘇る......。
美希の言う通り、思い返しても晴翔と意味のある会話なんてしてこなかった。馬鹿なことで笑ってばかりで、でもその馬鹿なことを晴翔と共有するのが楽しかった。
「......晴翔も今頃かわいい彼女作って、輝いた大学生活送ってるよ。きっと......」
胸が痛むのを感じながらコーヒーに目線を逃しながら言う私に、美希は不思議そうな表情をして聞いてきた。
「──美夢知らないの? 晴翔って大学退学したらしいよ」
「──え?」
初耳だ──。私は戸惑って少し雑にコーヒーカップを置いて美希に聞く。
「なんで退学したの......?」
すると美希もコーヒーカップを置き視線を思い出すように上に向け、私はよく聞こうと集中すると美希が喋りだす。
「馴染めなかったらしいね。神奈川っていう場所とか大学とか人とかにさ。私の友人も一緒の大学だったけど、いつも1人で孤独だったらしいよ」
想像できない──。あの明るくて友人が多かった晴翔が孤独だったなんて......。
「それに凄く痩せちゃったらしいよ。心配になった友人が喋りかけたんだけど全然反応なくてまるでゾンビみたいだって──」
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