4人が本棚に入れています
本棚に追加
一気にまくし立てられ、身体に残った気だるさが吹き飛んでゆく。
それと引きかえに、自身を襲うたまらない罪悪感に、吐き気を覚えた。
「ちょっ……尚斗? 具合でも悪いの──う、あんた酒くさ──待った。洗面所行こ、洗面所」
つめこんだアルコールは、空っぽの胃袋に、相当に堪えたらしい。
オレは、胃液とアルコールが入り混じった匂いが鼻につくなか、西崎の残した言葉の重さに、涙が、出た。
それは、明らかに西崎を思いやる気持ちよりも、自分の犯した罪が自身を縛る、その苦さを感じたからで。
オレは本当に、自分で自分に、絶望した──。
最初のコメントを投稿しよう!