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倉庫の中で、かがりに最後まですることは出来なかった。かがりは泣いた。泣き声を立てずに泣いた。怯えていた。
泣いて助けを呼んでいた。俺の名前を呼んでいた。
「隼、たすけて」
わたしを見付けて、と望んでいたかがりを俺は見付け出した。
見付け出して傷付けた。
俺はかがりに謝らなかった。
かがりは俺に謝った。
部活をさぼらせちゃってごめんなさい。
探させてしまってごめんなさい。
かくれんぼに付き合わせちゃって、ごめんなさい。
「わたしを、嫌いにならないで」
震えながら謝るかがりにジャージを着せ直し、大学の保健センターに連れて行った。
かがりは熱中症と言われて白いベッドに横たえられた。
かがりは、暗闇にいることや一人にされることを怖がる。それは以前からなのか、このかくれんぼがきっかけなのか、俺には分からない。
臆病で尋ねることができない。
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