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ユキがすがりつくような目で俺を見る。
鏡越しに、ユキを捕らえる。
鏡が白く曇り始める。
ユキの指先がいっそう白くなっている。
汗ばんでくる。射精感が高まってきて、自分の方が目を閉じそうになる。
ユキを先にいかせたい。
男同士の妙なプライド。
目を逸らすな、俺の名を呼べ、と命じるのは自分がユキの名を呼んでしまいそうだからだ。
ユキの背に顔を埋めて甘えた声を出してしまいたい。
いっちゃう、と抱かれている女の子みたいに。甘えて爪を立てて、快楽だけに溺れたい。
「隼」
好きだ、と細い喉からユキが絞り出す。
先端から白いものを迸らせて俺の手を汚す。立ち上る青い匂い。
すがるような目で好きだと言われたら、麻薬のように、それが何度も欲しくなる。
ユキを振り向かせる。もう一度口付ける。
「ユキの手で」
上ずった声で、ユキの手に押しつける。
「手でいかせろよ」
熱い息が自分から出て行く。
精一杯強がっても、もう、もたない。
ユキの細い指が絡みついて、良いところをこすりあげる。でも強さが足りない。
ユキは控えめすぎる。
もっと、と耳に注ぎ込む。
ユキが無自覚なのは困る。
その指で、焦らされたらたまらない。
「ユキ。もっと」
その薄い胸に、白濁液とローションでぬめったユキの下腹部に、俺はぶちまける。
白く塗ってやりたい。
ユキが俺以外を見るなんて許さない。
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