第1章 条件はそれ?

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社会人2年目の私と比べたら、Mr.Aは責任ある仕事をしているが(ゆえ)の落ち着きがそう思わせるのだと自分に言い聞かせる。 お互いの出身地が同じ市なのは身上書で知っていた。 卒業した高校も違うし、これといった二人に共通する話題はなく、第一印象どおり話は途切れた。 相手も緊張しているに違いない。 何か和やかになる話題はないかとあれこれ考えるが、思い浮かばない。 どうしよう。 元々、初対面の場で自分から話しかけるのは苦手だ。 仲の良い友だちは笑うが、私は内弁慶なのだ。 大抵、男女にかかわらず、相手の人が話し出せば、その人につられて私もポツリポツリと話し始める。 そして気の許せそうな相手と感じれば、お喋りするタイプ。 まだ挨拶してから三十分も経っていない。
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