第1章 条件はそれ?

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「結婚です。僕は同郷の人が一番の条件です」 「……」 返答に窮して口籠った。 結婚相手は同じ出身地の人が良い? ふ〜ん、よっぽど郷土愛があるのね。 でも、随分とつまらないこだわりだと思いつつも愛想笑いで誤魔化した。 育った故郷にそれほどの思い入れがあるのなら、大学卒業と同時にそこで暮らせるようにしたら良いものを、なぜそうしなかったのだろう? Mr.Aの条件を訝しく思った。 転勤が多い大手企業に就職したのはどうしてかしら? 出身地に住みたいなら、県庁や市役所に就職するとか教員になるとか……。
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