第1章 条件はそれ?

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言われた人物は広げた新聞を少し(すぼ)めてボーイさんを見上げた。 男性の首から上が現れた。 事前に受け取ってる写真と同じ顔だ。 Mr.Aは気のなさそうな目つきでボーイさんの後ろに隠れるように立ってる私をジロッと見た。 その威圧的な視線にピクッと肩が揺れた。 無理に微笑もうと口角を上げる。 けど、誰が見ても口元が横に広がっただけで、目は笑ってない誤魔化しの顔だ。 約束時間の十分前。 決して遅れて相手をお待たせしたというわけではない。 なのに、負い目を感じてしまっている。 気を取り直し、真顔で軽くお辞儀をした。
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