第6章 サインは出してません!

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駅の改札口にMr.Dはカジュアルな服装で立っていた。 その姿にときめくことはなかったけど、私を改札口で待っててくれてる現実に未だかつて感じたことがない高揚感に包まれた。 それはMr.Dに惹かれてるというものでは決してない。 1回目より2回目の方がほんの少しだけ、緊張してない状態。 そして3回目のこの日は、知ってる人に会いに来たという状態。 最初に比べれば、話し方や相槌の打ち方も慣れてきたというもの。 残念ながら、思慕の感情はまだ湧いてきてない。 慕う気持ちってどんなことだっけ? お見合い相手には難しい感情なのかと心の隅に不安が起こる。 相手の真の姿を知るのはもっとずっと先かもしれない。
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