第6章 サインは出してません!

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喉まで出かかりそうな言葉を言い出せない。 ここが最後のチャンスだったのに。 Mr.Dから(のが)れる…… 車は細い路地を抜けて空き地に出た。 周囲に人家のないただの殺風景な空き地。 ここが『行きたいところ』? さも、当然の成り行きと言わんばかりに車を停車させると、エンジンを切った。 静まった車内にMr.Dがシートベルトを外すカチャという音がしたと同時に、こちらに体を向けた。 その動作にビクッとし、体が強張る。 できるだけドアに上体を寄せた。
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