第6章 サインは出してません!

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駅舎が見えてくると上機嫌で言った。 「次のデートはもっと良い所を考えておきます」 デート⁈ Mr.Dから軽々しくその単語を言われて一層気分が悪くなった。 車酔いのように胃がムカムカしてきた。 窓を開けて外の空気を深く吸った。 風に当たっているうちに徐々に正気に戻っていく。 押し殺していた気持ちが沸々と湧き上がってきた。 駅に近づくとMr.Dにホームまで送ると言われたが、キッパリと固辞した。 車内の空気に息苦しさを感じて早く新鮮な外気を思いっきり吸いたい。
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