56人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
土曜日の午前十時。
都内の四つ星ホテルのロビー。
ここで見知らぬ相手と待ち合わせるのは二回目。
正面入り口の手前で緊張を和らげるため、胸に手を当てて小さく深呼吸する。
大きなガラスの自動ドアがスーッと開いた。
ニメートルほど進んで立ち止まり、ロビーの全体を眺めた。
前回の人は、横に十脚ほど並んだ椅子に腰掛けていた。
今回はそこの椅子には誰も座っていない。
三十分も前に着けた。
早すぎた?
最初のコメントを投稿しよう!