第7章 究極の相手

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この日の待ち合わせは十時半。 このホテルは正面入り口を入ると、すこぶる大きなシャンデリアがあるのに気づき、圧倒される。 陽が落ちる頃になると、そのシャンデリアの眩いばかりの輝きになんとも言えない豪奢な気分になる。 その輝きの下に立つと、不思議と自分が特別な存在だと錯覚する。 いつの日か、伴侶になる人と一回くらいはここの最上階のレストランに行きたい。 窓際の角のテーブル席に座って眼下に広がる煌めく夜景に包まれながら、ディナーをゆっくり楽しめたらどんなにか素敵だろう。 今回の相手が伴侶になる確率はどれくらいだろう? 二段下りたフロアに十組のゆったりしたソファセットがある。 その半分は人が座っている。 立ち止まってそれらしき男性を探した。
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