3671人が本棚に入れています
本棚に追加
/348ページ
21
翌日華子が出勤すると、
その日同じシフトだったパートの野村とアルバイトの大木が、
華子の傍に来て言った。
「三船さんは陸さんのフィアンセだったのね! 婚約したって聞いてびっくりしちゃった! おめでとうございます!」
「いや~、僕も驚きましたよ! まさか、アノ社長が結婚するなんて...いやーマジでびっくりですよ!」
「すみません、なんだか驚かせちゃって...」
華子は申し訳なさそうにペコリとお辞儀をする。
「ううん、全然よ! 大木さんなんて、『陸さんは男に興味があるんじゃないか』ってずっと疑っていたのよ! だから、おめでたい話を聞いてホッとしているんじゃない?」
「だって陸さんモテるのに全然結婚しないから...それにマッチョだし...てっきりアッチ系だと思うじゃないですか!」
そこで華子と野村が声を出して笑った。
「確かにあの肉体だと勘違いされそうね...」
と野村が言うと、
「そっかぁ...マッチョだとそういう心配もあるのね!」
「そうですよぉ~、男がライバルなんて事になったら大変ですから、気を付けて下さいね!」
大木が真剣な表情で言ったので、また女性二人が声を出して笑う。
とにかく、朝からお祝いムードで盛り上がる二人のお陰で、
華子は楽しい一日のスタートを切る事が出来た。
最初のコメントを投稿しよう!