3676人が本棚に入れています
本棚に追加
/348ページ
それから二人はコインパーキングへ向かい、
車に乗った。
車が走り始めると、陸が言う。
「今日の夕飯は、何かテイクアウトするか?」
「やった! じゃあね、ピザがいい!」
「ピザだったら、大通り沿いの店に行くかな?」
陸はそう呟くと、信号を右折した。
そして、大通りをしばらく進むと、交差点の角にピザ屋が見えた。
ピザ屋の駐車場に車を停めると、二人は店に入る。
すると、店内はピザ生地の焼ける香ばしい匂いがした。
華子は思わず叫ぶ。
「いい匂い!」
「ここのピザは生地がサクサクして美味いんだ」
陸はそう言うと、華子を呼んでカウンターのメニューを見せると、
どのピザがいいかを聞いた。
チェーン店のピザとは全く違うそのメニューに、
華子は興味津々だ。
そして、二人は一つずつ好みのピザを選び、
後でシェアする事にする。
買い物を終えて車へ戻った二人は、そのままマンションへ向かった。
「ビールはあった?」
「ああ、冷蔵庫にいっぱいあるよ」
「なら良かった。ピザだとビールが飲みたくなるから」
華子はニコニコして言った。
「明日は華子は休みだったよな?」
「うん、やっと休める~! 陸は?」
「俺は明日も仕事があるよ」
「そうなんだ。私は美容院にでも行ってこようかしら?」
「良い美容院は見つかったのか?」
「うん、良さそうな所をいくつかピックアップしたわ。あとは当日店の前に行って
様子をうかがうわ!」
華子はニコニコして言う。
「あとは、アレだな。華子の実家に帰る日を、そろそろ決めてくれ...」
「うん、わかった。いつがいいかおばあちゃんに聞いてみるわ。でも、陸を連れて行ったらびっくりするだろうなぁ...」
華子は楽しそうに微笑む。
そして笑みを浮かべたまま、窓の外を眺めていた。
最初のコメントを投稿しよう!