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十分ほど歩くと、予約した美容院に着いた。
華子は店の外観を見て思わず笑顔になる。
とても素敵な雰囲気だ。
古い民家を手作りで改装した店のようで、とても味わいのある雰囲気だ。
白い外壁に、水色の窓枠とドアがとても可愛らしい。
表にはハーブが植えられたプランターがいくつも並び、
ハーブの良い香りが漂ってくる。
店の脇には、ディスプレイ用だろうか?
いや、もしかしたら実際に乗っているのかもしれない。
そこには、窓枠と同じ水色の、
とてもオシャレな自転車が置かれていた。
『うわぁ、なんだかカフェみたいな外観ねぇ...』
華子はそう思いながら、ドアを開けて中へ入った。
「いらっしゃいませ」
華子が一歩足を踏み入れると、声が聞こえた。
店の奥から、店主と思われる30歳位の女性がにっこり微笑んで
華子に声をかけた。
黒いTシャツに細身のジーンズ。
髪はショートヘアで、爽やかな美人だ。
この人が店主なのだろうか?
「あの...11時から予約していた三船ですが...」
「ああ、今日が初めての三船様ですね。お待ちしておりました。
どうぞそちらのベンチへお掛けになって、もう少々お待ち下さい」
店主は微笑みながらそう言うと、
今応対している客の髪を、ドライヤーで乾かし始める。
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